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・写真講座-絞り


デザインコラムより抜粋
今回は「絞り」のお話

前回書いたように「絞り」も「シャッター」も同じ光を調節する機構です
じゃぁ「絞り」は何に使うのでしょう
実はこちらの方が一般的な写真表現では重要だと思うんです

「シャッター」は速さで光りの量を調整しますが
「絞り」は大きさで調整します
よくレンズにF-5.6とかF-11なんて書いてあったりします
このFの値が「絞り」の値になります
(よっぽどのことでない限り絞りはレンズ側に付いてます)
レンズを通ってきた光の通る道(穴)を細くする太くするかが「絞り」の役目
絞り羽と呼ばれる薄い板をねじるように中心の穴を小さくします

f.gif

(今、バラせるカメラがないので絵でご勘弁を・・・)
ちなみに絵の絞りは羽根が10枚なので10枚羽絞りと呼び
枚数が多いほど中心の穴は真円に近くなります 絵では10角形ですね
(真円の方が良い理由は難しいので、いずれ)
間違いやすいのは、Fの数字が大きいほどその穴は小さくなります

さて、実際にこのF値が変わるとどうなるのか?
まず、そのレンズで一番小さいF値を開放絞りといい、穴が一番大きいんですね
たくさん光が入るので明るく撮れます
また、ピントを合わせた場所以外がボケやすくなります
ボケる量はレンズの焦点距離(28mmとか50mm)で変わります

逆にF値が大きいと穴は小さくなり、光の入る量が少ないので暗くなる
そして、画面全体にシャープなピントが合うようになります
遠くのものが見えにくい時、手でグーを握りその穴から覗くと見えやすくなりますよね
あれと同じです

たとえば人物を撮るとき、背景に目がいかないように絞りを開けて
人物だけにピントを合うようにし、背景をぼかす
建築物の写真を撮るときタイルの目地や模様まで撮したいから
絞りを絞ってシャープに撮す
などなど・・・

言葉では難しくなっちゃいますね
絞り込む、開く・・・
イメージでは真ん中の穴の大きさをどうするか考えれば間違いはありません

一眼レフなどの交換レンズでは、この開放F値が小さいレンズほど
明るく撮れることになり、数値的性能が良いと言われます
ろうそく一本で撮れるなんてのを売りにしたりしてますね

逆にピンホールカメラなどはF値がもの凄く大きく
F300なんて数字になったりします
もの凄く暗いレンズ(空気レンズ)なのでシャッター速度を
3分とか5分とかにしないと写らないわけですね
さて、次はこのような「絞り」と「シャッター速度」の関係に続きます

以下は興味のある人だけお読み下さい
F値って、どうしてこんな変な数字になってるかというと
F値は√2≒1.4142....の倍数の系列なのです
また、F値はレンズの焦点距離(f)を絞りの直径(d)で割った値
F=f/dで求められます
F値は円の直径から出した数字なので「光の通る量(面積)」を表す時は
二乗された分母、F値の2乗に反比例しますので
F値が√2倍になると(一段絞ると)、光の通る量が半分に、
また、絞りを一段開くと光の通る量が倍になるわけです

こんなこと習ったって寝ますよね普通・・・
大丈夫!知らなくても写真は撮れます



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